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「おもてなし」

私がお稽古している茶道の流儀には、
異なる師匠・教室でお茶を学ぶ若い人たちが、
一緒になって活動するサークルがある。
そのサークルは、今春、大きなお茶会で茶席を担当することになっている。
先日、会合が持たれ、それに向けてやっと動き出した。

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茶会や茶事などでは、
もてなす側(亭主)の思い描く主題とか
キーワードのようなものがあって、
それを道具の取り合わせによって表現していくことが多い。

会場となる場所によって、どんなしつらいになるかも
ある程度決まってくる。
そこで、どんな道具を使って(場合によってはどんなお点前をして)
どんな空間を作りお客様をおもてなしするか、
経験も道具もない私たちが、私たちなりに考えていくのである。

お茶会全体の主旨を考え、
そのなかでどんなテーマを設定し、
どんな道具を組み合わせればいいのか……
このところ、それが頭の中から外れたことはない。
というのも、そうしたことを考えるのは、
今回のお茶会のためだけではなく、
自分自身のトレーニングになるように思うからだ。

テーマが全面に出すぎると、それはもてなしではなく
自慢の色が漂いかねない。
「お客様に楽しんでいただけるように」と言うのは簡単だけど、
なかなか難しいものだ。

そんな思いでいたところ、二つの文章が目にとまった。

一つは、アーティスト・日比野克彦さんが
糸井重里さんとの対談で言った言葉。

「僕も、絵を描いてて思うんですけども、
しょせん、絵も
伝わってナンボのもんなんです」

「自分が絵を描いて、アトリエの中で
いいなと思うとします。
でも、それだけじゃダメで、
人に見せたときに、
『日比野くんの絵は好きだ』とか、
『いいな』とか、
その人が思ってくれる瞬間が
その絵の持ついちばん大切な部分なんです」

*「ほぼ日刊イトイ新聞―おめでとうのいちねんせい」より

日比野さんの発言の「絵」を「お茶」に置き替えても
十分意味が通じる。

道具を並べて自分で悦に入っているだけじゃだめで、
誰かに、「あぁ、楽しいな」「今日はここにきてよかったな」
と思ってもらえることが、
亭主のよろこびなんじゃないかな。

そんなことをとりとめもなく考えていると、
今度は、おちまさとさんのメルマガが考える材料を示してくれた。
ある飲食店での店員の行動をもとに、

「ようはその女性スタッフの気持ちはこうだ。
『わたしこんなに がんばってるのに』
しかし、この女性スタッフはたくさんのミスを犯しています。
大きく言えば、仕事というものの
優先順位を完全に壊してしまっている。
こういうサービス業の仕事のプライオリティ第一位は
お客さんが喜ぶことだ。
しかし、この女性スタッフの第一位は
『自分が頑張る事』になってしまっている」

*「おちまさとメルマガ 今週の100点満点~
一流のヒト・モノ・サービスの裏側にある秘密 」より 

おちさんが指摘する「プライオリティを間違えやすい」というのは
仕事の中でもやりやすいことだ。
だけど、仕事だけじゃなく、お茶の場合も犯しやすい。
「私はこんなふうにがんばりました」と
亭主の肩に力が入った取り合わせでは、
お客様の楽しみの度合いはたぶん高くないだろう。

あれこれ考えて考えて、自分でできるすべてで考え尽くしたら、
一歩引いて見るというか、少し息を抜くというか、
自分を中心に集めた道具を、
お客様中心に並べ替えるような作業ができたらいいのかもしれない。

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そんなことをつらつら考えてみるのだけど、
今春の茶会についての具体的なアイデアは出てこない。

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