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雪といえば…

あたり一面を白く埋め尽くしていく雪を見ていると、
7~8年前のお茶事を思い出します。

趣味の茶道である許状をいただき、師匠が茶事を催して
その引き渡しをしてくださいました。
茶事にもいろいろな種類や趣向があるのですが、
許状の引き渡しをするときのものはその中でも一番正式なもので、
使う道具や献立などの事前の準備はもちろん、
当日の進行にも、いつもの何倍も師匠は気持ちを込められるものです。

その日の天候は朝から小雨もようでした。

実は、そのしばらく前に、師匠の跡継ぎであった若先生が
病気で亡くなられており、
お茶事の間もなごやかにお話などしてはいましたが、
「なぜここに若先生がいらっしゃらないんだろう」と
うれしさや心地よい緊張感の中にも、どうしてもぬぐいきれない寂しさがあったんです。

それが、茶事の進行にともない雨だれの音が聞こえなくなりました。
気がつくと障子を通して感じる庭の気配が白っぽいのです。
いつの間にか雪が降り始めていて、それはまさに「しんしんと」降り続いて
近所の物音や車の通る音などをかき消していきます。

“ああ、きれいな景色だなぁ。雨の中のお茶も好きだけど、
雪に変わっていく寒さを、炉の温かさとともに感じるお茶もいいものだなぁ”
なんて思っていると、見る見るうちに師匠宅の庭は真っ白に。

雪がまわりの生活音をかき消し、あたりを真っ白に覆い尽くしていくのを感じながら、
“もしかしてこれは「これから新しい気持ちでお稽古に励みなさい」っていう
若先生からのメッセージなのかも”
“寂しいだのなんだのも、このお茶事の場においては邪念なのかもね”
“今日から、真っ白な新しい気持ちでお稽古しよう”
などと殊勝にも思ったのでした。

いままででいちばん印象に残っている雪の一日です。

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コメント

私はその雪の翌日に初めて、引次茶事のお勝手のお手伝いに行きました。勝手がわからずとりあえず得意中の得意である雪かきに早朝から汗を流した覚えがあります。ちりとりで雪かきに難儀しました(笑)

雪の日の茶事。お客様はほんとうに思い出深かったことでしょうね。師匠のこともあり、真っ白な雪に思うことがあったというお話、じんとしました。

投稿: kero | 2008年2月 4日 (月) 18時27分

あの茶事からずいぶん経つけれど、
あのときの気持ちはまるで昨日のことのように思い出されます。
ま、新しい気持ちになったはずなんだけど、
いつのまにかその真っ白な気持ちにも
あちこちに染みができてしまっているのが現状です。はぁぁ~。

投稿: monaco | 2008年2月 4日 (月) 20時32分

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